こんにちは。
Hammerhead Karoo2というサイコンの夢を何回か見てきたのですが、新Karooが発売になり、日本でも正式に使えるようになりました。とはいえ新しいSRAMのREDグループセットに付属するものが日本のファーストロット(75台?)になりそうですから、それほど沢山のユーザーが得られるわけではないと思います。逆に言えば、SRAM RED買うくらいの人はみんなGarmin持ってると思いますので、待ってればオークションやらメルカリやらに流れてくるでしょう。比較対象のGarminはEdge 840です。新しく出た1050は買って(買えて)ません。
というわけでアメリカにいた知人経由で個人輸入しました。技適も通っているので夢を見なくてよさそうですが、Karoo2の部分は夢の内容ですのであしからず。
Karoo2 / New Karoo比較
外見は見た感じほとんど変わりません。液晶もちょっと大きくなっている、という噂があったのですがほとんど変わらずです。ちょっとだけ薄くなったと思います。ちょっと軽いです。
画面は前がマットだったのですがグロスになりました。見た感じまあきれいになりました。
電源スイッチが独立して本体の下側になりました。ただ、このスイッチがいまいち感触がよくなく、私の個体だけかもしれませんが押しっぱなしになったりうまく押せなかったりします。Hammerheadの掲示板でも同じ症状が出ている投稿が複数あり、以前のUSB-Cコネクタのフタのように対策品が出るかもしれないです。最初のロングライドがいきなりウェットだったからかもしれない。
Karoo mounting systemではなくGarmin互換のマウントアダプタをつけていますが、New Karooになってぐらぐらせずにマウントできるようになりました。サイズの微調整が行われたようです。
サイドのスイッチは簡素化されて普通のボタンスイッチっぽくなりました。感触はよくなりましたが、水には弱くなっているかもしれません。
起動にはKaroo2ほどではないですがAndroidで動いていることもありやや時間がかかります。Karoo2を買ったばかりのときは起動も早くかなりサクサク動いていた印象があるのですが、今はロードの待ち時間はやや長いです。Garmin Edgeもデフォルトがスリープなのですぐ立ち上がりますが、ゼロからの起動だとそれなりに時間はかかりそうです。一方、動き出してからのストレスは以前より洗練され、さらにサクサク動く感じになりました。ここはGarminより圧倒的にレスポンスはいいです。Bluetoothでスマホと接続するので、ライドの記録をアップロードするのにわざわざ無線LANに接続しなくてもよくなりこれは地味に便利です。
サイクルコンピュータとしての性能は問題ありません。液晶が細かく美しく、最近のスマホと同様の感覚で使用することができます。
「アジアの会社の電動グループセットを使用しているみんなのための」Ki2というアドオンアプリはまだ未対応です。この点ではNew KarooよりKaroo2を持って出かけたい気持ちにつねになってしまいます。以前はDi2のバッテリー残量とかすぐにわかったのに、現時点ではわからないですから。これを始めとして、HammerheadがSRAMに買収されてから、コミュニティの意見が通りにくくなった、という批判がかなりあります。New KarooのAPIも公開されておらず、Ki2作者やユーザー、リアルタイム血糖測定モニターなどを実装したい人などからは非難轟々です。
Ki2を除いては、個人的には新しい機能を使ってないので、Karoo2を気にせず使ってもいいかなと。新しい機能ってどこだあ?
カタログスペック上の変化
もともとはAndroid8, 32GB storage, 32bitで動いていたのですがAndroid 12, 64GB storage, 64bitでの動作になりました。
Dashboard
Garmin connectと同じようにHammerhead Dashboardというのがあります。
こんな感じで取り込んだ内容が表示されます。Stravaで見るからあんまり使うことはないのですが、あればあるに越したことはない。
日本語化
Karoo2も数ヶ月前から日本語が選べるようになりました。New Karooは当然最初から日本語が選べます。
が、これの日本語訳がかなり機械翻訳丸出しで、ちょっと悲しくなるようなできです。とはいえGarmin Edgeの日本語化もなかなかアレなので、これが自転車業界標準なのかもしれません。
あまりにひどいのでHammerheadの中の人と相談しています。自分は英語モードで生きていきたいです。
お勧めする?
Garmin Edge840と比較しての意見です。
GarminのVO2 maxやペダリングダイナミクス機能に相当するものはついていません。Climb Proに相当するClimberという機能はあります。休息時間とか教えてくれませんが、TrainingPeaksとかとのコラボは上手なようです(使っていないので不明)。
StravaセグメントについてはKarooの方がたのしく追いかけっこできます。全体的な画面の見た目に関してはKarooの方が気に入っていますが、最近なんとなくカッコ良さがいい加減(とくに翻訳環境)になってきた印象があります。とくに表示にスケーラブルフォントをAndroidオリジナルのままで使っているので、日本語化したときや桁あふれのときなどの処理が甘い気がします。これはAndroid 14で改善された機能ですのでなんとも言えないかもしれません。ただし、Garminの液晶表示はそうとうイケていないですから、これもかなり高いレベルでの文句といっていいでしょう。
地図は圧倒的にKarooのが見やすいです。ナビの機能もしっかりしています。Garminを英語モードにして日本語の地図を表示させると、県道がUS-xxとかここアメリカかよ、っていう表示になりますし、日本語フォントがものすごく見にくいです。地図の色合いも、GarminはPC-8801かよという気持ちになってしまいます。おきなわでは地図を常に表示させておいて、次のコーナーの曲がり具合を見てスピードを調整する、ということをやっていました。
ConnectIQに相当するものがAPI公開で、数は少ないながら良質なアドオン的アプリがありましたが、今の時点では待ちです。Di2ユーザーは気をつけてください。SRAM AXSの人はふつーに使えると思います。
電池の持ちはGarminの方が圧倒的によさそうです。とはいえ電池がへばってきたKaroo2で沖縄100kmを完走する夢を見たので自分の使い方では大丈夫でしょう。
まとめ
サイコンとしての基本機能は相変わらず充実していますが、前のKaroo2と比較してこれは! というところがありません(今後使用を続けていく中で見つかるかもしれません)。もしKaroo2のソフトウェアロードの時間が気にならないとかであれば、改めてNew Karooを購入する必要はないのではないか、と正直なところ思いました。国内でKaroo2を使用している夢を見ている人はあまりいないと思いますが、New Karooにアップデートするメリットは現時点では感じません。もう少しハードウェア面での進歩が欲しかったです。具体的には薄く・軽く・小さくといったところです。Karoo2からNew Karooが発売される長い間に中華サイコンはカラーになり薄くなり、機能もかなり充実してきました。今日日このベゼルの幅は許容されにくいのではないかと思います。
Garminはブランドとエコシステムで生きていくのだと思いますが、Karooにはブランド力もあまりないですし、Karoo4は果たして発売されるのか、はなはだ疑問に思えてしまいました。
でも、サイクルコンピュータとしての基本性能はしっかりしており、開発はまだまだコミュニティの意見も聞いてくれているようです。自分がポストした日本語訳があまり充実していない点も開発部門に連絡する、という返事をいただきました。画面と地図のきれいなかっこいい(ここ大事)サイコンがほしくて、人とは違ったものがいいという人にはお勧めです。シマノ派の人で、今それなりのサイコンをおもちの人は、Ki2のサポートまで待ってもいいと思います。
最近Garminをつけて走っていますが、サイコン1台持ってライドするとしたらKarooのが好きです。個人的な意見として。