充電器を自作してコイン型2次電池ML2032を試す

こんにちは。

StagesCyclingの左クランク型パワーメーターをオークションで購入しました。これがやたら電池の減りが早く、いろいろなところで問題になっているようです。新品のCR2032を入れても2日くらいしか持ちません。CR2032はそんなに高価ではないのですが、使い捨ての電池をしょっちゅう入れ替えるのは環境にも優しくない。

CR2032サイズの2次電池にはLIR2032, ML2032, VL2032等があります。そこらへんでザクザク売っているわけではないですが、Amazonやら中華通販やらで手に入れることはできるようです。公称電圧が3.7VのLIR2032が一番手に入りそうです。でもこれはCR2032の規格を超えるのでML2032というのを入手しました。自分が買ったときはヨドバシの通販で300円くらいでしたが、最近は900円くらいまで値段が上がっています。

ヨドバシで買ったMaxellのやつとaliexpressで買ったノーブランドのやつ。日本語が書いてあるがこんなの国内で見たことない

一番問題となるのは充電器で、入手性はLIR2032用のものが一番よいようです。LIR2032はリチウムイオン電池なのでそれ用の専用充電ICを使えるからだと思います。MCP73831とかTP4056とかが有名です。MCP73831は充電電流は20mAくらい、TP4056は150mAくらいより絞ることはデータシート上では難しそうです。TP4056はRPROGを600KΩにすれば計算式では2mAになりますが、まあ無理だろうな。

ML2032は本来は機器内蔵でトリクル充電をするためのものなのでしょう。充電推奨電流はまさかの2mAで、電池の定格は65mAhです。公称電圧3.0V、標準放電電流200microAとあります。1日半充電してようやく充電完了というのんびりとした電池であります。定電圧充電推奨かつトリクル充電はするな、とパナソニックのML2020のカタログにありましたので一応注意してください。マクセルのカタログには「優れた過充電特性、1年間充電した場合でも・・・」っていう記載もあるけれども。推奨充電電圧は3.0から3.3V、規定充電電流は2mA以下、2.0V以下の過放電禁止、とのことです。当ページのも定電流回路なので適切ではないかもしれません。

ネットを探していたところ充電回路をみつけました。

https://electronics.stackexchange.com/questions/638826/ml2032-battery-charger

トランジスタ2石による定電流回路です。ぎりぎりUSBの5Vが使えそうですが、電圧がギリなので少し高めの出力電圧があるやつを探さないといけません。電流は左のトランジスタのVBEの約0.6Vと330Ωのからなるだいたいで0.6/330=1.82mA程度ということになります。小型トランジスタだとVBEはもうちょっと高いので2mA前後になります。ML2032のプラス極には5.5VからLEDのVfの1.6V程度を引いた3.9Vくらいで先ほどのVBE分を合わせるとML2032には3.2V程度しかかかりません。絶妙な電圧配置だと思います。

つうわけで2回路分つくりました。部品配置とか何も考えてないので真ん中に部品が集中しています。追試したい人がいたらアレなので記載しますが、2N2222は小信号用の汎用トランジスタでいいと思います。いっぱい在庫のある2SC2021を使いましたが、おなじみの2SC1815とかも使えるでしょう。LEDも部品箱に入っていたものを使いました。電圧がいろいろシビアなので、電源電圧とトランジスタのVBE、LEDのVf、さらに330Ωの実測値はデジタルテスターで測定し、なるべくLEDやトランジスタでの電圧ドロップを節約する方が吉です。充電電流が2mAを超えないようにVBEを見て330Ωの実測値と計算してください(約0.6V/330Ω=約1.82mAが変化します)ってまあそこまで厳密にしなくていいんだろうけど。

これでパワーメーターの電池問題は解決です。CR2032に比べると電池の容量は1/4くらいなのでマメにバッテリー交換が必要ですが、使い捨てにならない分いいんじゃないかと思います。

定電流回路についてはぺるけさんのところに詳述されてます。USBを電源回路にすると電圧がギリなので、別の方式の定電流回路にしてもいいのかもしれません。

Hammerhead Karoo2のバージョンアップした夢を見た

こんにちは。長い夢を見ました。夢の話なのでまねしたりするときは自己責任でお願いします。

5月のことでした。日本のあるメーカーからの要請によりHammerhead Karoo2から電動シフトやシフターの追加ボタンに関する機能が取り除かれました。これはHammerheadが別のメーカーに買収されたことにより、日本のあるメーカーとはライバル関係になってしまったからのようです。

今まであった機能としては、今のシフト位置の表示、シフト回数の記録、シフター追加ボタンに機能を設定すること、などがあげられます。自分のロードバイクの変速システムは日本のあるメーカーのものなので、別のメーカーでどういう表示がされているのかはわかりませんでしたし、その機能がほしかったのでKaroo2自体のアップデートもしばらく行っておりませんでした。これまでにいろいろ機能が追加されたり、そもそも常にアップデートされ続ける、という他社にはない利点があるサイコンだから購入した夢を見たのですが。

さてKaroo2はAndroid 8で動いているスマートフォンのようなサイクルコンピュータです。Google Playには対応していませんが、アプリのサイドロードは公式に認められています。つまりどういうことかというと、apkファイルさえ用意できればアプリのインストール自体は自由自在にできるということです。海外のunofficial Karoo掲示板をみるとosmand+やらamazonのアプリストアやらWhatsappやらTelegramやらいろいろインストールしている人がいるようです。

今回みつけてきたのはki2というapkファイルです。リンクはgithubのところです。曰く

Ki2 is an app/addon/plugin for Hammerhead Karoo 2 devices. It is a companion app for electronic shifting groupsets produced by a Japanese company.

https://github.com/valterc/ki2

とのこと。頼もしい限りで自分の使い道にはぴったりだと思いました。

Karooにアプリをサイドロードする方法は以下のところに記載があります。見本ではzwift入れてますね。

https://www.dcrainmaker.com/2021/02/how-to-sideload-android-apps-on-your-hammerhead-karoo-1-karoo-2.html

真ん中へんに方法があります。

  1. USBケーブルについて、Karoo1ならmicroUSB、Karoo2ならUSB typeCのケーブルとか。
  2. Karooのdeveloperモードをオンにする
    1. Karooの電源をいれる
    2. Setting→About→Build Numberを「Developer mode」になったと表示がするまでタップ(確か7回だと思う)
    3. 一個戻ってDeveloper Optionsを開きUSB debuggingを有効化
  3. Windowsの場合、https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools をwindowsコンピュータにインストール。インストールはzipファイルを展開するだけなのですが、DC rainmakerの人はAndroidフォルダというのをつくってそこに展開したそうな。
    Macの場合も同じところからダウンロードして展開して、adbというファイルにpathを通しなさいとのこと。
    1. 自分の場合はちょうどこの記事を読んでいたときに動かしていたubuntu linuxでやりました。apt install adb でインストールはさっくり終了です。
    2. Macでhomebrew使っている人も、brew install android-platform-tools でインストールはさくっと終わると思います。
  4. KarooをUSBケーブルでコンピュータに接続します。Select USB ConfigurationをMTPに変更します。
  5. コマンドラインにおり、adbにpathが通っている状態で、
    adb devices
    とやることでKarooがオーソライズされるので、あとは好きなアプリをインストールしほうだいです。
    adb install ほにゃらら.apk
    1. Ubuntuでやる場合、パーミッション関係のエラーが出るので、adbサーバをroot権限で動かす必要がありそう
      $ sudo adb start-server
      $ adb devices
      $ adb install ほにゃらら.apk
  6. successと表示されれば完成です。

面倒なのはadbをコンピュータにインストールするところで、それ以外は一瞬で終わります。自分はすでにadbがインストールされていたので簡単でした。私の解説もいい加減なので、「android adb アプリ インストール」あたりで検索するともっといい解説があるんじゃないかと思います。

というわけで早速ライドに行った夢を見たのですが、ちゃんとシフト自体も表示されていて非常に良好です。とはいうものの、気合いいれて走ってるときってこれ見ないんですよね。

シフト回数もサイコン自体に表示することは可能ですが、Hammerhead dashboardには載らないようです。この辺は妥協が必要かとも思います。そもそもシフト回数って必要かなあ。

サイコンレビューした夢をみた – Hammerhead Karoo2

はじめに

先日Coospoというところのサイコンをレビューしましたが、Hammerhead Karoo2というサイコンをレビューする夢を見ましたので、念写した内容も含めて記載します。

入手

なんでこんなものが家にあるの

公式サイト通販では売ってくれません。直接メールしましたがやはりダメであるとのこと。Far Eastの某島国に送ってくれる業者もいないようです。

価格

公式価格はUSD399で、アメリカ国内や、それぞれの販売地域なら送料は無料です。うらやましい。この値段だと、Garmin Edge 1030は十分にカモれますし、日本でセット価格でしか買えないEdge 830よりも安価です。

実物

サイクルコンピュータとしては大型の部類に入ります。ぱっと見はEdge 1030と同じくらいに見えます。液晶のサイズは1030より小さいですが、解像度は圧倒的にKaroo2のが勝ちです。マウントはKarooオリジナルで、Garminマウント互換のアダプタが付属します。ただし、このGarminコンパチブルマウントはかなり緩めなので、別途Oリングなどをつけて少しキツめにしてあげた方がいい、と公式のフォーラムに記載があります。そうしないと横のスイッチを押そうとしたときにマウントが回ってしまい、サイコンがすっ飛びかねません。

今回は試していませんが、nano SIMカードを挿入することができます。そうするとGoogle Mapなどから目的地の検索なんかも可能です。

デフォルトの状態では英語モードになっており、日本語入力はできませんが、サイコン自体は日本語の表示は可能です。Androidとしての機能も持っていますので、アプリを再度ロードして別途IMEなどを入れれば日本語入力も可能でしょう。

端的に言えば、これはサイコンに特化したスマホであります。ソフトウェアはAndroid 8 Oreoベースです。

いろいろ表示項目は選べます。デフォルトでは上記のような感じとなり、画面下半分はリアルタイムの地図表示になります。Edge 820からKaroo2に変更し(た夢をみまし)たが、古いクルマに初めてナビをつけたような、何か進化したような印象を受けました。

Stravaからのルートデータの読み込みも問題なく、ナビゲーション機能もGarminと同等以上に使用できます。少なくともEdge 820Jで何回かしてしまったコースアウトもKaroo2ではそんなこともなく林道までガイドしてくれました。名前のある道路など、日本語でちゃんと表示されました。Garmin EdgeのClimb proと同じような、これから行く先の登り勾配の程度なども表示されるのでなかなか便利です。

普段自分はパワーと左右の3秒間パワーバランス、ケイデンス、スピードその他を表示させています。似たようなパラメータが並びますので、数字に単位がつくといいなあ。

ANT+, BLEによるセンサーの認識も問題ありません。個人的にはこれがきっかけになりましたがVariaのリアレーダーまで表示できるので、ほんとうに便利です。現状のソフトウェアでは、回転数によるスピードメーターと速度の自動調整にバグがあるようで、GPSを利用するか手動調整をするように指示があります。手動で外径を入力することで距離の問題はでなくなりました。ソフトウェアのアップロードも月2回は行われ、比較的サポートも良いようです。

感想

これを常用する前はEdge 820を使用していました。Egde820ではタッチパネルの操作がもっさりしていて操作が通ったかよくわからない、ワンテンポ遅れる欠点があります。現行の830では改善していると思いますが、どうなのかわかりません。一方、EdgeシリーズはGarmin connectやヘルストラッカーと併用した場合の総合力はやはり最強と言わざるを得ません。

Hammerhead Karoo2については、雨の日やグローブ装着では操作がしづらいタッチパネルを補完するように物理キーがちゃんとあり、ストレスなく動作することはすばらしいと思います。

というわけで、Hammerhead Karoo2は単体では正直最強のサイコンと考えます。あえて欠点を記載すると以下の通り。これら欠点も多少は改善できていると思われますし、国内での販売が正直望まれます。

  • サイコンの機能としては問題ないが、Garmin connectなどの周辺アプリについてはGarminに一日の長がある
  • スピードセンサーの自動調整にまだバグがある(2021.9.23リリースのバージョンで改善したと書いてありますが、まだ確認してません)
  • たくさんの項目を表示できるが、単位が表示できないため表示位置を覚えないとなんの項目が表示されているか咄嗟に判断できないことがある
  • Garmin互換マウントがゆるい
  • EdgeにあるようなトレーニングメニューやFTP計測、VO2 max推計機能などがない
  • 国内での扱いがない

正直なところ、USD399に相当する価格で国内販売してほしいです。日本では技適の問題があるため、このレビューは夢の中身になりますが、 高級サイコン=Garminのアンチテーゼとなりうると感じました。

仮にこのサイコンがあまり流行らなくって物理的なデバイスの販売をあきらめたとしても、おそらくAndroidベースのソフトウェアサイコンとしてやっていけるんだろうと思いました。

サイコンレビュー CooSpo BC200

はじめに

こんにちは。

2020年春からロードバイクに乗り出しました。自転車を買えばお金はかからないのか、と思っていましたが軽量化パーツやらウェアやらいろいろお金がかかります。

購入時付属しないものとしては、いろいろなパラメータの測定・表示機能です。測定するにはそれぞれセンサーが必要ですし、それを表示するためのサイクルコンピュータ(サイコン)も必要となります。

乗り出してみて最低限ほしい表示項目は

  • スピード
  • ケイデンス

があり、さらに

  • 心拍数計
  • パワー計

などがあると自分のコンディションもわかっていいと思います。このあたり測定できれば最近のトレンドである電動変速と組み合わせてオートマチックトランスミッションができるんじゃないかと個人的には考えています。スピード計は最近はGPS内蔵のサイコンが増えているので、GPSデータから算出するのがトレンドのようです。GPSが搭載されているとあとでライドの結果をみていろいろ反省したりにやにやすることができるので、GPS機能も必須になるでしょう。GPS機能といえば、地図によるナビゲーションもあるとうれしいところです。

というわけで、今日はサイコンの話です。当初自分はXOSS G+というサイコンと、同じメーカーのスピードセンサー、ケイデンスセンサーを購入しました。今や実機がないのでそのレポートは後日行うとします。

今日は、とくに誘引なく購入したCooSpo BC200というサイコンのレビューを行います。

外観と箱

aliexpressで注文し、6000円ちょっとと記憶しています。日本語の記載された化粧箱に入っていて、文法的にも問題なさそうです。マウント器具一式と液晶保護のガラスフィルムが添付されており便利です(が、自分はGarminだろうとHammerheadだろうとフィルムなしで使っています)。

中身

サイズは大きいです。Garmin 1030と同じくらいでしょうか。マニュアルには66 x 88 x 20 mmと書いてあります。説明書は英語のみです。なお、販売者に問い合わせると日本語マニュアルのPDFを送ってくれるようです→公式サイトに日本語マニュアルのpdfがアップロードされました。

箱の中身。サイコン本体と片手持ちマウント、普通のマウント、USBケーブルと液晶保護ガラス、説明書。マウントはGarmin互換
箱の裏には日本語の説明もあります。
文章もとくに問題はないような
やっぱり助詞力の不足は否めない
2.4inch LCD screenの訳は謎

本体

電源を入れると普通に立ち上がります。

本体も日本語の選択はないので、英語を選択することになります。中国製ですが中国語の設定はなかったので、国際版を送っていただいたのでしょう。

本体にはUSB-MicroBの充電ポートがあります。ちょっと形が違いますがGarminマウントでそのまま装着可能でした。物理ボタンは4つで、スクリーンのタッチ操作はできません。どうせ手袋している環境だとタッチ操作は難しいのでそれは構いませんが、ボタンはやや重い(タクトスイッチか)ので運転しながらの操作は難しいかも。物理ボタンは左側がカーソル移動、右側は実行、キャンセルの機能を持ち、すべての機能がそこからアクセスできます。

バイク3台ごとにそれぞれのセンサーの登録ができるようで、センサーもBluetooth, ANT+両方に対応しています。手持ちのGarminのスマートウォッチの心拍計、XOSSのスピードセンサー、 自転車に付属しているパワーメーター+ケイデンス計も問題なく認識しているようです。認識は電波強度も出ますし、ANTやBluetoothのIDも出ますので、間違えて他人の心拍を見てトレーニングしてしまう愚は避けることができます。

年齢、性別、身長、体重を登録することで消費カロリーも計算してくれるようです。

衛星はGPSに加えBeidouとGlonassに対応していますが、自分ではGPSだけを拾うように設定しています。

運用

サイクリングを選択すると最初に位置情報を検索すべく待たされます。Amazonレビューでは衛星の受信が悪い、という記載がありますが、最初こそかなり待たされるもののその後は受信に失敗することはありませんでした。

* ファームウェアをアップデートしたあと再度使用してみたのですが、やはり最初の衛星捕捉にかなり時間がかかっている印象。それだけでなく、走行中にもGPS信号をロストしていることがあるようで、ひょっとすると使用に耐えない可能性があります。走っているのは少なくとも周囲に高層ビルなどない広い道路です。

そこから先はなんというか普通です。普通に使えます。雨が降っていても安心。回していないときなのでケイデンスとパワーが出ていませんが、他のサイコンと全く同じ値が表示されています。

ライド中(一部編集)

これ以上いじっていないのですが、データフィールドはデフォルトの9コマから変更できるようですし、パラメータもかなり多いようです。格安サイコンではパワー表示ができないものが多いですが、本機はちゃんとパワーメーターにも対応しているので、そこはポイントが高いです。

PC連携

アプリのCooSpoRideというのをインストールすることでスマホ上でstravaと連携したりすることができるようです。今回スマホアプリはまだ登録していません。USBケーブルで接続すると、fitファイルを直接取り出すことができ、それをstravaにアップロードすることは可能です。

また、本家ホームページでは新しいファームウェアがアップロードされていますが、これも圧縮ファイルを展開したものをコピーすることで簡単にアップデートすることができました。

なお、スマホアプリを入れないとタイムゾーンの変更はできないようです。

まとめ

パワー表示ができて表示桁数も多くてこのお値段ははっきりいってお得です。Amazonでも7,980円で800円引きで売ってますし、ブランドにこだわらないとか最初の1台とか予備とかStravaやってない人に無理やり登録させるとかにはいいのかもしれないです。

あえて欠点を上げるとすれば、機能の割にはでかいことがあげられます。Garmin Edge 1030と同じくらいのサイズなので、ナビゲーション機能があるとうれしいです。でもこの価格ですからそれは高望みというものでしょう。衛星捕捉がちゃんとできているか不明なので、ここはしばらく追試が必要と思われます。