謎のトランジスタでmini watterをつくったよ その1

こんにちは。

謎のトランジスタをaliexpress経由で購入したという話をしました。細かい特性うんぬんを言っても多分これらの製品の正しいデーターシートは出てこなさそうです。

買ったヤツはこういう型番のついているやつです。当然オリジナルとは違いそう。

  • BC639 / BC640
  • BD139 / BD140
  • TIP41C / TIP42C
  • 2SK117

傾向を知るためにhFEをはかってみます。測定系は秋月の安テスターであるところのDE-200Aです。とりあえずさっと出てきたBD139 / BD140について。

hFE distribution of BD139 acquired from Aliexpress

hFEは280〜310までと、かなり狭い範囲に分布しています。数本使っちゃったのでその残りについての測定ではありますが、傾向としてはこんな感じです。

このBD139はNXPという刻印がついています。製造元は多分NXP semiconductorではなくて深圳のどっかの企業だと思います。NXPはPhilipsから半導体製造部門を引き継いだようですが、2001年にこのトランジスタはディスコンになっており、advanced semiconductorというサードパーティを推奨されているもののそこの製造リストにはこのトランジスタはなく、現行でありそうなのがインドのContinental Device India Limited (CDIL)という会社みたいです。そこにはBD139-25なるhFE 160-400のグループがデーターシート上に記載されています。ST MicroelectronicsもBD139は現行で製造しているみたいですが、BD139-16止まりのようです。

hFE distribution of BD140 acquired from Aliexpress

BD140はもうちょっと正規分布ぽい感じがします。やはりそれなりにそろっているんじゃないでしょうか。やはりCDILのデータシートだとBD140-25という高hFEのvariantが存在した気配がします。好意的に考えると手元のこいつらはこの-25のやつなんでしょう。

で、手元のTIP41C / TIP42CはFairchildのロゴが誇らしげに刻印されてますが、まあこれもお察しという感じです。数がないのでグラフをつくるまでもないのですが、hFEを見るとTIP41Cは 150, 165, 166, 171、TIP42Cは 187, 205, 206, 207, 208でした。TIP41Cは100V, 6AでhFEはMAX 75の製品のハズなので、何が何やらわからないと。

ひるがえってmini watterとして考えますと、バイアスの話とか高域の肩特性とかを考えないと(ぺるけさんの設計を冒瀆するような話ですが、市販部品が枯渇しているので勘弁してください、ということで)、スルーホールのパッケージでサイズやhFE的にも適切であってなんとなくちょうどいい感じがします。

そもそもAlibabaの半導体の顧客ってのはアマチュアじゃなくて、何か工業製品をつくるためのものだから、出所はともかくそれなりに使える製品じゃないと困るわけだし、まあこれはこれでトランジスタでいいのかな、と思いました。

さて2SK117(偽)をどうしよう。

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