トランジスタ式ミニワッターVer 5を中華トランジスタでつくる

こんにちは。

自作オーディオは部品にこだわる人が一定数いると思います。このメーカーのこの石(の、このロット)じゃないとだめ、とかいう人もいます。もちろん部品に物量を投入したらそれなりにいいものができると思いますが、回路形式の方が与えるインパクトが絶対大きいと思います。

というわけで部品に逆向きにこだわりなるべくお金がかからないように、持続可能な自作を試みたいと考えています。

Aliexpressからいろいろ半導体を仕入れていたのはこれが目的です。ネットで有名なぺるけさんの設計されたトランジスタ式ミニワッターをなるべくお金のかからないように、かつ継続的に製作できるように世界の半導体工場となった中国製の謎のトランジスタをつかってみたいと思います。さてさてどうなることでしょうか。楽しみですね。本ページを見て本家のぺるけさんの方に質問を書いたりするのはやめてください。あくまでこのページは思考実験やらn=1の実験だったりするわけでして。真似するときは自分の責任でお願いします。

最新型であるmini watter ver.5(15V版)では初段は2SK170の差動、次段は2SA1680の差動、出力段は2SA1359/2SC4935のSEPPとなっています。あと次段の定電流回路用にVCEsatの低い2SA950が、電源回路に適当なNPNの小さめパワートランジスタが必要なのでした。19V版をトレースしたかったのですが、単純に19VのACアダプタがないという理由で15V版をトレースします。

部品箱を漁ると取り外した東芝製2SK170-BLのペアがみつかったので初段はありがたくこれを使うことにします。念のため2SK117のcounterfeitも購入しているのでこれは次回の課題です。ちょっとはかってみたらIdssが2SK170並によく流れる石のようなのでこれも使えるでしょう。

次段はBC639/640(の偽物、100本で189円)、終段はTIP41C/TIP42C(の偽物、10ペアで191円)、定電流回路はBC640(の偽物)でトライしてみることにします。当然ですがこれらは中華トランジスタでフェアチャイルドやオンセミの純正品ではありません。本当は抵抗やらコンデンサやらも中華で固めたかったんですが、わざわざ手持ちにある部品をあえて購入するのはもったいないので今回はニチコンやらルビコンやらそれなりに有名なメーカーのブツを使います。

    1. 終段

終段はあんまり難しくないと思います。1Aくらい流してhFEが低下しないこと、かつバイアスが整流用ダイオードの順方向電圧に近いもの、というのが条件となります。

もしバイアス調整に難儀するようであればバイアス調整可能な回路にしちゃえばいいんだと思いますし、1N4007じゃなくて2A品のUF2010とかを持ってくればそれでもなんとかなると思います。

実機をみてみるとあっちっち度では次段のBC640(偽)の方が高くって、たぶん終段には問題ないのでしょう。19V版を組んだときに(いつ?)再検証します。

    1. 次段

hFEの高いPNP型トランジスタということになります。コレクタ損失が170mAということなのでこれは最低限カバーしないといけません。BC639/BC640(偽)がどの程度のIcまで対応可能かわかりませんが、元祖オンセミのデーターシートだと0.5Aと書いてありかつhFEもへこたれてきていないので、偽物は少なくとも本物より性能がいいと考えてそれを使います。hFEの直線性などは圧倒的に東芝の方が純正onsemiよりいいです。日本の半導体はあなどれないと思えます。(偽)はどうなっているかわかりません。とりあえず触ると熱いですがちゃんと動いているようです。

2SA950がオリジナルでは選定されています。VCEsatが低いこと、すなわち低電圧動作が可能な半導体が選択されています。VCEsatが低いトランジスタは通常は電流がたくさん流せるやつです。Onsemiのデーターシート(本物)を見ると0.05Vくらいから一応hFE 10は確保されているようです。じたばたしていてもしょうがないし2SA950の手持ちはないので(2SA1680で代替できそうだけれども)BC640(偽)は電流が流せそうですなわちVCEsatも低いに違いない、と考えそのまま使うことにします。

定電流回路まわりを抜き出してみました。電源電圧である約14.4Vを分圧+ダイオードの電圧降下分でベースの電圧を固定しています。実測ではV+とV-の間は14.32Vでした。ダイオードのVFが0.643Vで、5.6Ω間の電圧は0.350Vとなりました。5.6Ωは実測で5.5Ωくらいだったので、63mAくらいの定電流回路になっていると思います。VCEは0.499Vとなりました。問題はこのBC640(偽)がこのような定電圧でトランジスタとして成立しているかです。4.7K(実測は4.60K)の両端電圧は13.29V、160Ω(実測154Ω)の両端電圧は0.391Vくらいです。そうするとIbとしてはだいたい0.35mAくらい流れている計算になります。IC/IBがhFEですから、この場合はhFE≒180くらいになっていると思います。つまりVCEはこの定数では飽和はしていないようです。定電流回路として成立していると判断できます。

ただしV+とBC640のベース間の電圧は実測で1.045Vとなりオリジナルより0.1Vほど高い値となりました。ぺるけ式のアンプは電圧についてかなりイモヅル式で精密に計算しているので、これで問題があるかどうかということでは問題があるかもしれません。とりあえず鳴ってるのでよしとしましょう。

    1. 初段

すみません。今回は手持ちのジャンク2SK170 BLを持ってきてしまいました。2SK117(偽)についてはあとで考察する予定とします。

 

上記の組合せでがんばって製作します。万能基板は中華なやつを導入したのでタカス基板のような便利なものとは無縁です。エッチング不良で隣のパターンとショートしていますが、それも折り込み済みで配線しました。ジャンパーを飛ばすのは面倒なので、UEW(ウレタン被覆線)で多層配線として誤魔化しています。アナログ回路向きじゃないのはわかってるけど、でもさあ。

視力が最近落ちていてハンダブリッジを見落としたり、がんばって中華ハンダを使おうとしたら鉛free品で融点がえらい高くて結局作業しにくくてしょうがないので手持ちの普通のハンダに切り替えたりとか、くだらない苦労はありました。

いろいろ計測してダメ出しを今行っています。

  1. TIP41C/42C(偽)だとVBEが0.063Vくらいで、1N4007をとりあえずバイアス調整用につけていたのですがこれでアイドリング電流が100mAくらいです。問題なさそうなのでそのままにしてあります。終段はとりあえず問題なさそうです。
  2. 次段のBC639/640は普通のTO-92パッケージでちょっと華奢な気がします。結構熱くなっていますが少なくとも定格オーバーということはなさそうです。
  3. 初段は安定の東芝クオリティです。何も問題ありません。
  4. 定電流回路は今検証中。
  5. 音は悪くなさそう。

また更新します。写真もあった方がいいよね。

とりあえずかかった費用なぞについてメモ;

  • 電源スイッチ:6Pのやつ5個で$2.14届いたらON-OFF-ONの切り替えだった。
  • 終段トランジスタ:TIP41C/42C(偽)10ペア(20本)で¥191
  • 次段トランジスタ他汎用:BC639/BC640(偽)200本で¥377
  • 放熱版:TO-220用10個で¥169
  • 初段FET候補:2SK117(偽)20本で¥169
  • 万能基板(小)秋月C基板サイズ、エッチング不良ブリッジありもHigh quality!とか記載がある 10枚で¥152
  • 万能基板(中)秋月B基板サイズ、こっちはかろうじてOK  5枚で¥141
  • LED 3mm径 つめあわせ100個で¥112
  • 今回は千石で買った日本製を使ったけれど16V4700uF 10個で$2.64

トラブルを楽しむための海外通販ですので、マトモな作品をつくるための人にははっきりいってお勧めできません。ローエンドとしてはこういう作品もあるということで。

留学先で出会った中国の人はみんな尊敬できる人たちばかりでした。中国製部品が尊敬できるかはちょっとわかりません。テスターで測定する限りではそれなりに使えるのではないかと思います。そもそも既製品を購入したところで内部の部品はほとんど得体のしれないかもしれない中国製ではありませんか。手元の部品はこれらの通販部品と混じらないように別に保管しようと思ってはいますが、十分に使用に耐えるのではないか、と(いい方向に)勘ぐってしまいます。

2SK117(偽)を測定しました。16本測定してIdSSが19.8mA〜23.4mA、ぺるけさん式に2mAのIdを流したときのバイアスは-0.636V〜-0.742Vとオリジナルからかけ離れた値になりました。もうちょいと考察します。

 

 

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