旧車にBluetoothをのっけたよ

こんにちは。

自分が乗っているクルマは日本に帰ってきたときに中古で買ったアベンシスというやつです。前輪駆動でやたら曲がらないですが、トヨタの欧州のフラッグシップとしてつくったものらしくサイズとしては当時のメルセデス・ベンツCクラス以上Eクラス以下だそうです。厳密にいうとトヨタ製ではなくTMUKとかいうところがつくってます。Toyota Motor Manufacturing UKだそーです。日本ではとにかく知名度が低く、トヨタのお店にもっていったらこの車なんですか、と聞かれました。

中古なのでオーディオシステムも古くCDチェンジャーとMDプレーヤーがついています。ナビは大容量DVDナビで、前のオーナーが律義に地図のアップデートをしてくれていたのでそれなりに使えます。

で、CDはまだ持ってるし使っているのですが渡米に際しかなり処分しました。MDにいたっては人生で所有したことがありません。最近は音楽やら語学教材やらはMP3やflacなんかに変換してファイルサーバーに投げ込んであります。クルマで聴くときだけCDに、というのも何か時代錯誤な気がして(おまえのクルマが古い、という意見はその通りですすみません)、MDユニットをのっとってそこらにあるbluetoothレシーバを押し込む、ということをやってみたいと思います。

対象とか材料とか

  • アベンシスワゴンAZT250(前期型と思われる)
  • その純正オーディオ
  • bluetoothレシーバ(Aliexpressで買ったこれ
  • 配線をおっかけるためテスター
  • MDユニットには9Vが供給してありロジックが3.3Vという変態仕様のため5Vをつくるためのレギュレータなんか

まずインパネを外します。オーディオユニットはM10のボルトで止まっているのでそれも外します。上側はインパネを外すとボルトにアクセスできますが、下側はシフトゲートのカバーを外さないといけません。マイナスドライバーを養生して隙間に挟むとシフトゲート横のプラスチックカバーが外れます。下側のボルトにもこれでアクセスでき、それでオーディオユニットを引っ張り出すことができます。

オーディオユニットとエアコンのコントローラーははめ込み式になっています。いちおうDINモドキのようなので横の取り付け用の金具のM8ボルト4本、エアコンコントローラーのプラスねじ2本を外します。オーディオユニットとエアコンユニットはひっぱってもとれませんが横にスライドすると外れます。オーディオユニットをひっつかんで家に持って帰ります。

オーディオユニットの前面パネルははめ込み式なのでツメを外すと外れます。ひっくり返して裏のネジ、フロントのネジ4ヶ所を外すと下フタが取れ、MDユニット(3.5インチのハーフハイトのドライブみたいな感じです)が外れます。14Pフレキケーブルと、ユニットを冷却しているファンの電源ケーブルをちぎらないように気をつける必要あり。

MDユニットにはスイッチが3つ入っており、それぞれ SW1: IN, SW2: CLAMP, SW3: INNERという名前がついているようです。あ、書きわすれましたが、今回の方法は

  • オーディオユニットにMDが入っているように偽装する(これでアナログ系がMDの出力につながるハズ)
  • MDからのアナログ出力をのっとる

という作戦でいきます。というわけでMDが物理的に入っていないとSW1, SW2はOFFのままなのですが、このスイッチをショートしてSW1, SW2を強制ONにします。SW3はヘッドの位置を見ていると思うんですが、わからないのでこれもONにしてしまいました。

MDユニットにはLSIが何個かのっており、そのうち大物はM30621M8というワンチップマイコンとCXP2667RというDSPプロセッサのようです。MDは確かATRAC3というコーデックで書き込まれていてそれをどうやってデコードしているのか、ヘッドユニットにはデジタルで信号が送られているのかアナログで来ているのかちょっとわかりません。今日日の感覚からいうとデジタルでひっぱってCPUに全部処理させちゃえばデコードは楽勝ですが、13年落ちのクルマに乗っているユニットなのでアナログ出力の可能性も高いです。

ネットでデータシートを探すと、M30621M8については16ビットマイコンでありDAコンバータがついている、アプリケーションとしてはポータブルオーディオなんか、と書いてありました。当初CXP2667の方がなんだかさっぱり検索しても出てこなかったため、M30621のDACのアナログ出力がそのまま出力に来ているのではないかと考えいろいろパターンを追っていきましたがどうも違うらしい。

ちょっと考えればわかるのですが、CXP2667のアナログ出力がそのままフレキケーブルまで届いているというのが本当のところのようです。というわけでいろいろ調べた結果フレキケーブルのピンアサインはこれ。

  1. GND
  2. Analog out(R) CXP2667R 28P
  3. Analog GND
  4. Analog out(L) CXP2667R 25P
  5. ?
  6. M30621 Pin26
  7. M30621 Pin27
  8. M30621 Pin28
  9. M30621 Pin29
  10. ?
  11. ?
  12. ?
  13. ?
  14. 9V

わかんないところはいっぱいあったけど(パターン追うの大変だし)、なんだよ9Vって。6〜9ピンでヘッドユニット側とシリアルで会話しているようです。今どきのものだったらフルデジタル接続なんでしょうが、アナログ出力で助かった。

AliExpressのBluetoothレシーバーはUSB typeA端子が電源コネクタになっているのですが、USBコネクタを外して外部から5Vを供給します。Bluetoothユニットの出力のステレオジャックのところから配線を引っ張り出し、フレキケーブルのPin 2,4につなぎます。Pin2, 4のもともとの上流のDSPユニットにつながっているところはパターンカットします。

当初DSPの電源に行っているところを貰ってきてクルマにユニットを戻したら、中国語訛りの英語で「Battery level is low」とのこと。DSPチップ3.3V動作やないかい。仕方がないので手持ちの7805で5Vの降圧回路を作り、フレキの1ピンが電源端子と勘違いして再度クルマにセットしたら全く動かず、また外してきてチェックしたら14ピンが9Vだということが判明し、直してまたクルマにつけたら左から音がしなくなり、外してチェックしたら配線が外れており、直してまたクルマにつけたら今度はオーディオとエアコン以外のハーネスが奥に入ってしまいまたやり直しが必要という感じです。

家から駐車場までちょっと歩くんです。あとユニットつけるためにはボルトを12本くらいつけなおさないといけません。今日だけでクルマと家の間をユニットかかえて10往復くらいしています。

写真とか付け加える予定です。誰か役に立った人がいたら教えてくれるとうれしいです。

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